研究プログラム

生物の適応性、ニューラルコーディング、細胞インテリジェンス、形態形成などミクロな現象から、パニック時の群集行動、生命医学、地震予知、異常気象、人と社会のネットワーク、経済変動などマクロな現象までを対象とした現象の理解は自然科学、社会科学の分野において重要なテーマです。
本拠点はそれらのテーマを数理科学の分野に持ち込み、その解明に対してモデル構築を柱とする現象数理学から行います。具体的には、非線形性、複雑性、組織化、異常性などを念頭におきながら次の2つの課題を掲げます:

(a) 非線形非平衡系の現象数理学の発展

社会、自然、生物系に現れる様々な非線形非平衡現象を対象とし、非線形性、組織化、開放性の視点から本質を抽出するモデルを構築し、その数理解析を行うことから現象数理学の発展を目指します。

(b) 非線形時系列に対する現象数理学の発展

経済、工学、磁気圏、地震、生命医学等の複雑な現象に現れる非線形時系列を対象とし、時系列の異常の前兆を捉え、時系列の本質を抽出するモデルを構築します。これに基づき、一例として、リスクマネジメントなどで地域社会や国の政策決定に貢献できる方策などを提言していきます。

事業推進担当者は全員MIMSの所員であり、MIMS所長を兼ねた拠点リーダーのリーダーシップのもと、強力な連携体制を構築しています。研究課題の遂行は次の3研究班の共同作業によって行われます:

  • モデリング班(岡部、小林、西森、柴田、若野、向殿、刈屋、荒川、森、高安)
  • 数理解析班(砂田、三村、玉木、二宮、小川)
  • シミュレーション班(草野、杉原、上山)
拠点の概念図
モデリング班
生物現象に関わるメンバーは、実験家・フィールド研究者であり、数学者との共同研究の経験・実績も有しています。社会現象に関わるメンバーは、経済と工学の分野で現象の再現に重点をおいたモデル構築とそのモデルに基づく実証研究に優れた成果をあげています。
数理解析班
数学・応用数理学の分野で極めて高い水準の教育研究活動実績を持つと共に、他の二つの班を支援できるメンバーを揃えています。
シミュレーション班
計算機シミュレーションおよび可視化法の専門家だけではなく、現象・モデリングを理解し、高度な計算機技術を持ちあわせているメンバーです。

このように、本拠点では研究課題の遂行のため、現象と数理を広く捉えることを可能にする協力活動と連携体制を整備しています。