プログラムの概要

拠点形成の目的

生物の進化に見られるように、不確定なゆらぎを経て自己組織化しダイナミックに変化しながら発展していく複雑なシステムは、生物界のみならず発展する社会や変化する自然界においても現れます。これらの背後に潜む強い非線形性が次第に明らかになり、同時に膨大なデータ(情報)の収集も可能となった現在、このようなシステムを解き明かし理解することが、いま数理科学に託された緊急課題です。その解決の鍵は、モデルの構築とその数理解析的方法論に重点を置いた、現象解明を明確なミッションとする現象数理学の革新にあります。

本拠点では、本大学の附置研究機関である先端数理科学インスティテュート(以下「MIMS」という。) を教育研究の基盤とし、社会、自然、生物の複雑現象の研究に焦点をしぼり、これまで様々な分野で用いられてきた現象を定量的に再現することを目的とした忠実モデルを見据えつつも、現象の本質を見抜き理解する抽出モデルの構築をかなめとする新しい現象数理学の形成を目的とします。

また、連携先機関である広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻、連携大学院である海洋研究開発機構・階層システム研究チームと相補融合し、現象数理学の方法と技術を習得した人材を輩出することを目指し、さらに、海外研究機関と連携し、国内外から優れた人材を集め、国際的な教育研究拠点の形成を目的とします。

教育・研究の理念

  • 数学と諸科学の融合を目指す現象数理学的思考および技術を身につけた研究者・高度専門職業人の育成
  • 社会、産業界の様々な問題の発掘および解決の出来る現象数理学ディレクターの養成
    複眼的視野、問題発見能力、問題解決能力

現象数理学の国際的な研究拠点となるとともに、複雑化する社会において本質を見抜く能力と、数理科学的技術を身につけた人材を育成・輩出する教育拠点の形成を目指し、その成果は、複雑化する21世紀社会に貢献する数理科学の発展へとつながり、さらに、数学界へのフィードバックにより、現代数学の新たな発展と裾野の拡大を促し、数学から社会への掛け橋となるものです。