拠点リーダー挨拶

数学と諸科学の具体的融合を目指すグローバルCOE拠点を目指して

先端数理科学インスティテュート 「現象数理学の形成と発展」拠点リーダー 三村昌泰我々を取り巻く社会には、変動しながら発展していく複雑なシステムが多様に存在しています。これらのシステムの共通点は、要素の数が非常に多いというだけでなく、それらが複雑にからみあっていることです。実験、観測技術の急激な発展により、システムから精緻で大量のデータの収集が可能になり、構成する要素の正体が明らかになってきましたが、データの膨大さ、要素間の複雑な絡みがシステムの生み出す現象の解明において大きな障害になっていると言って良いでしょう。この困難さを打ち破ることは21世紀の数理科学に課せられた重大な使命であると考えています。その鍵は現象解明の根幹となるモデル構築の新たな展開であり、これまで様々な分野で用いられてきた現象を忠実に捉える定量モデルをみすえつつ、現象の本質を見抜き、理解するという抽出モデルの構築が必要です。

本大学はこのような状況をいち早く捉え、現象と数理の掛け橋となるモデル構築を主とする数理科学の振興が社会的使命であるとの判断に基づき、将来構想の重要な柱の一つとして、本大学最初の附置研究機関:先端数理科学インスティテュート(MIMS)を開設しました。今回のプログラム『現象数理学の形成と発展』は、MIMSを教育・研究基盤とし、社会、自然、生物現象等に現れる複雑なシステムの解明に焦点をしぼりつつ、現象の本質を見抜き、理解する抽出モデルの構築を柱とする現象数理学の拠点を形成し,その発展を目指すものです。この展開は社会への貢献のみならず、数学界へフィードバックすることから、現代数学の裾野を広げ、社会に目を向けた数学の確立へとつながるものと確信しています。

本拠点は、高度で幅広い数学的素養を身につけ、複雑現象に対して、その中に潜む本質を見抜く現象数理学の力をもつ技術を習得した若手研究者の養成し、社会に送り出す事業も展開したいと考えています。

先端数理科学インスティテュート所長
明治大学グローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」拠点リーダー
三村昌泰