現象数理学セミナー

 

参加自由です。皆様のお越しをお待ちしております。

明治大学生田キャンパスへのアクセス:


第7回現象数理学セミナー 

2013年2月14日(木) 16:30〜18:00
生田キャンパス, 第二校舎A館, A207教室
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油谷幸代
(産総研・生命情報工学研究センター)

構造方程式モデリングによる遺伝子ネットワーク推定

Abstract:
細胞分化においては、タンパク質の細胞内局在などの遺伝子以外の細胞内因子によって別の遺伝子群の発現が制御されることから、細胞分化制御のメカニズム解明には、遺伝子と他の細胞内因子の関連性を網羅した細胞内因子間ネットワーク推定が必要である。本セミナーでは、細胞内因子を包含した遺伝子ネットワーク推定を行うため、構造方程式モデリングを軸とした新規ネットワーク推定手法を開発し、開発した手法を線虫などモデル生物の遺伝子発現プロファイルに適用した研究について報告する。


第6回現象数理学セミナー 

2013年2月8日(金) 16:30〜18:00
生田キャンパス, 第二校舎A館, A306教室
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下川倫子 (千葉大学)

重力不安定性に起因した表面パターンの実験的研究

フラクタルパターン [1]より
セルパターン [3]より

Abstract:
概要:低密度の牛乳の上に高密度のコーヒーを置くと、コーヒーは牛乳表面に広がった後、重力不安定性によって沈む。この沈みこみの中で、コーヒーは牛乳界面に自発的にフラクタルパターンを描くことを発見した。アスペクト比(r:容器半径,h:密度の小さな溶液の深さ)を変化させたところ、r < hではフラクタルパターン、r > hでは新たにセルパターンが観察され、フラクタルパターンからセルパターンへの転移がr 〜 hで起こっていることが実験から分かった。
セミナーでは表面パターンについて詳細な実験から得られた結果を報告し、形成機構について議論する。本研究は千葉大学櫻井建成准教授、北畑裕之准教授、九州大学高見利也准教授との共同研究である。

[1] M. Shimokawa, S. Ohta. Fractals 20, 97 (2012)
[2] M. Shimokawa, J. Phys. Soc. Jpn. 81 094003 (2012)
[3] M. Shimokawa, H. Kitahata, and T. Sakurai. Phys. Rev. E 87, 012903 (2013)


第5回現象数理学セミナー 

2012年11月15日(木) 16:30〜17:30
生田キャンパス, 第二校舎A館, A206教室
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早川美徳 (東北大学)

鳥の群れの動態計測と解析

Abstract:
「群れ」は生物の生存戦略の典型的な形態のひとつで、単細胞生物から大型哺乳類まで、その例は枚挙にいとまがない。特に、都市部でもしばしば目にする鳥の大群は、その不思議な集団挙動とダイナミズムに、つい見入ってしまった経験のある方も多いだろう。我々は、ステレオ動画像を使った飛行軌跡の解析などを通じて、V字型の隊形を取ることで良く知られるマガンや、都市部ではその「鳥害」も話題になることの多いムクドリの群れについて、群れのサイズや内部構造、三次元的な動態の解析を行っている。マガンの群れについては、隊形の維持に付随して生じる波動の励起と群れの力学的な不安定性を、ムクドリの群れについては、個体間相互作用の様態と群れを維持するための行動戦略について、最近得られたデータや知見を紹介する。


第4回現象数理学セミナー 

2012年11月2日(金) 13:00〜14:30
生田キャンパス, 第二校舎A館, A207教室
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野々村真規子 (日本大学)

フェーズフィールドによる多細胞系の数理モデルについて

Abstract:
フェーズフィールドモデルは、結晶成長のモデルとして考案され、合金やマルテンサイト変態や強磁性体などの様々な研究に用いられてきました。今回は、この固体の物性研究に使われてきたフェーズフィールドを、柔らかい細胞を表すために用います。単純に、一つの細胞の形の変化を一つのフェーズフィールドで表現すると、計算メモリの不足が問題となります。細胞の数だけフェーズフィールドを用意する必要があるため、多数の細胞の数値計算ができないのです。今回紹介するモデルでは、細胞間の相互作用を共通変数で記述することで、この計算メモリの問題を解決しています。講演では、フェーズフィールドモデルの基礎、多細胞モデルの詳細、他の多細胞モデルとの比較など、モデルを用いた数値計算結果などについてもお話しします。


第3回現象数理学セミナー 

2012年10月25日(木) 16:30〜18:00
生田キャンパス, 第二校舎A館, A206教室
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伴 貴彦 (大阪大学)

化学的不安定性で誘起された
自己推進型液滴

Abstract:
界面の不安定性を利用した液滴の自発運動には,
1)脱濡れ効果,2)Marangoni効果,3)Korteweg効果の3種類が存在する.脱濡れ効果による液滴の自発運動は,化学修飾した基板と液滴との濡れ特性の変化を利用した現象であり,反応速度の増加により液滴の挙動が変化する.Marangoni効果は,界面に吸着した物質の濃度の不均一さが,液滴運動の駆動力となっており,化学反応を利用することにより環境応答性機能を付加することができる.互いに混じり合う2溶液の相互溶解過程で発生するKorteweg効果は,100年以上前に理論 的に予測されながら,包括的な実験がほとんどなされていなかったが,我々は水性二相系を用いた相分離現象に着目し,Korteweg効果によって自発的に運動する液滴の実験的検証に世界で初めて成功した.溶液の組成に依存して,異常拡散現象やジグザグ運動や自発的な穴の開口現象など興味深い現象が起こることが分かった.セミナーでは,3種類の液滴の自発運動の特徴について述べ,主に既存の理論と我々の実験結果との比較を行う.


第2回現象数理学セミナー 

2011年11月17日(木) 17:30〜18:30
生田キャンパス, 第二校舎A館, A305教室
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田野倉葉子 (統計数理研究所)

金融データ解析による欧州危機の
世界経済への波及の検出

Abstract:
ギリシャの財政難発覚をきっかけに南欧諸国の財政問題が顕在化し、世界経済は欧州信用不安の波及の懸念に直面している。国債を参照する金融商品であるソブリンCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は政府債務に対する信用リスクの代替指標として注目されているが、その価格は右裾が長く偏って分布しておりデータ数も日々変化するため、市場全体の動向を適切に示す指標の作成は容易ではない。そこで、変数変換とトレンドモデルに基づいた新しいインデックスを開発した。欧州、アジア、中東アフリカ、南米といった世界各地域のソブリンCDSインデックスを作成し、インデックス間の変動の相互関係についてギリシャ危機発生の前後で生じた変化を検証した。その結果、欧州先進国地域の変動の影響はギリシャ危機以降どの地域においても増大しており、欧州危機の波及の拡大が確認された。さらに、欧州信用不安の長期化が今後の世界経済に与える影響は無視できない状態にあることがわかった。


第1回現象数理学セミナー 

2011年11月17日(木) 16:20〜17:20
生田キャンパス, 第二校舎A館, A305教室
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手老篤史 (九州大学)

減衰振動子から創発される知的制御
 ~粘菌・ホヤの精子・ゾウリムシ・四脚動物の歩容・人間の脳について~

Abstract:
真正粘菌変形体という単細胞生物は外部からの周期的刺激に対して予測や記憶・想起をします。これは外部から周期刺激を与えると生物内部の減衰振動子が共振した結果、単細胞生物であっても予測や記憶・想起といった知的活動を行う事ができるというものです。一方で生物は歩行などの周期的な動作をします。これらは生物の内部状態に様々な影響を及ぼし、周期的な刺激となります。その結果、生体内の減衰振動が共振し、生物の行動制御に影響を与えます。本発表では減衰振動子群という観点から粘菌の記憶現象・ホヤ精子の走化性・ゾウリムシの容器形状記憶実験・四足歩行動物の歩容遷移・脳の情報処理について解析することにより、生物が知性を獲得した流れの1つについて考えます。