第3回現象数理若手ミニシンポジウム 主旨
 「ファイナンスと現象数理学」

 これまでの標準的経済学は、様々な経済現象を合理的な人間行動の結果として整合的に説明することに成功し、経済政策に有効に用いられてきました。しかし様々なデータが利用となった近年、この合理性の仮定と矛盾するような実証結果が多く報告されています。例えばバブル経済、リーマンショックのようなマクロ的な問題やクレジットカード破産のようなミクロ的な問題など、社会の病理的状況を描写することが難しいのが現実です。
 そこで人間が社会経済の中で実際にどのように行動しているのかという記述的な理論の構築や実験、PC上の人工的な市場を用いて、人間行動の普遍的な特性を見出すという、新たな経済学が制度設計や経済政策に用いられ始めています。
 このような現状の中で本ミニシンポジウムでは、ファイナンスのそれぞれの分野において活躍されている研究者と現象数理学者との交流を通じて、それぞれの分野において新たな知見の獲得、さらには新しい数理モデルの開発や解析にかかわる数理的な理論の展開、新しい数学的概念の構築を目的とします。

文責:吉川満 (明治大学Ph.D.学生)