*講演内容*
◆ 古幡征史(北陸先端科学技術大学院大学)

 需要と供給を高速にマッチングさせるルールとして、ダブル・オークション・メカニズムは東証など金融業界で広く受け入れられている。このメカニズムは約定タイミングや価格決定方式などによって多くの種類が存在しており、東証ではザラバ方式と板寄せ方式が利用されている。特に、東証の昼休みを含む板寄せ方式は、他の欧米市場では見られない方式であり、この方式の特性について理論、実証的に検証する。理論面では東証の典型的なボリュームカーブを説明するモデルを提案した。実証面では約定数量、マーケット・デプス、ボラティリティの観点から、2つの方式の特性の相違点を分析した。異なる研究アプローチを用いて、取引の活発さによって取引方式の特性が異なることを多角的に示した。大型株では板寄せ方式で約定数量の増加は見られないが、板が厚くなり、板寄せ直後のザラバ取引にて活発に取引される。一方、小型株では板寄せ方式で多くの取引が集中していることを示した。また、より複雑なシナリオにて取引方式の特性を分析するための実験的アプローチについて示した。