今年1月東京証券取引所は取引制度を変更し、アローヘッドを導入した。そこで本報告ではこの新システムの概要と特徴を踏まえて、アローヘッド稼働後の株価形成の特徴を分析する。その結果アローヘッド稼働後、投資家の注文執行パターンは米国市場等で観測されるような「小口・高頻度」へのシフトが鮮明になった。特に大型銘柄ほど高頻度取引への移行が鮮明であった。こうした銘柄では、流動性供給に対する対価は減少し、HF注文執行に伴う逆選択コストが上昇している。これは高頻度化をさらに広げる要因になると予想される。一方小型株では高頻度取引の介在がないが、逆選択リスクの減少や負のマーケットインパクトの発生のため、こうした銘柄でも実効スプレッドは減少した。
文責:吉川満(明治大学Ph.D.学生)