第1回現象数理若手ミニシンポジウム 主旨
 「進化による安定共存と反応拡散系の形態形成」

 今回のミニシンポジウムでは、現在活発に研究が行われている二つの領域について、数理的な現象の例を紹介し議論することで、現象数理学の今後の研究の方向性を探る一助を目指します。

  午前中のセッションでは、「進化による安定共存」について扱います。 自然選択による進化は適応を示唆するとしばしば理解されます。しかし、環境が適応を規定するがその適応が環境条件が変化させる、という形で環境条件も共進化することがありえます。喩えるなら、適応度地形の中を個体群が進化すると、地形自体が変化して新しい山と谷が生まれ、それがまた新しい動きが生み、適応度地形が表現形の分布と個体群の密度によって形成されると喩えることができます。そして、環境条件が必ず共進化するなら、動的な振舞いの広がりははるかに豊かになることが示唆されます。 午前中のセッションでは、このような観点から、安定共存に至る進化のメカニズムについて、今後の研究の方向性を探る一助を目指します。

 午後のセッションは、「反応拡散系の形態形成」について扱います。 反応拡散系は、前世紀半ばのTuringの先駆的な業績から半世紀を経た現在においても、まだまだ研究が積極的に進められてきているほど数理的に豊穣な研究対象です。その源泉の一つは、散らばることから形態が形成されるという逆説的な形態形成と言えます。 しかも、半世紀にわたって研究が進められて知識が蓄積されてきた方程式であっても、これまでの研究から少し離れた切り口からのアプローチにより、今までの知見からの類推がきかない形態形成が存在することが、計算機の進歩により発見されてきています。 午後のセッションでは、そのようないくつかの研究結果について、数値的手法を含めて議論し、今後の研究の方向性を探る一助を目指します。なお、午後のセッションは、明治大学理工学研究科の集中講義「現象数理特論C」の受講生も参加する予定です。

 興味ある皆様の積極的な参加をお待ちします。

文責:藤間真(明治大学Ph.D./ 桃山学院大学)