* Abstract *
◆ 星野弘喜(藤田保健衛生大学)

 悪性腫瘍の浸潤を記述した偏微分方程式系の進行波解について、得られた結果を紹介する。1999年にPerumpananiらは悪性腫瘍細胞の結合組織への浸潤を記述した数学モデルを導出した。彼らあるいはその後の研究において、数値計算的にさまざまな進行波解が得られた。今回は彼らの提唱した最も単純な(拡散項のない)方程式系に対して、進行波解の存在の解析的な証明を与えるとともに、進行波解の漸近的性質を提示したい。相平面解析や中心多様体の理論などでこれらを示すのであるが、進行波解が満足する常微分方程式系にはある種の特異性が含まれていて、それを処理することが重要である。