* Abstract *
◆ 武藤正義(芝浦工業大学)

 本稿の目的は、第1に単純な再分配システムが社会的効率性をつねに満たす条件を明らかにすること、第2にそれを通じて自由・平等・社会的効率の関係を明らかにすることにある。行為者は協働作業を含めた行為選択により富(利得)を産出すると考えられる。そこで研究方法としてはゲーム理論を用いる。つぎの3つの仮定をおく。(1)行為者が自身の行為選択によって取得した利得のうち何パーセントかは再分配システムによって税金のように集められ、等分されて各行為者に分配される。(2)行為者は手元に残った利得とシステムから分配される利得の和を最大化する。(3)行為者は他の行為者と不特定のゲームをプレイする。以上の仮定をおいたとき、システムに何パーセントの「税率」を設定すれば、社会的効率性はつねに達成されるのか。またこのとき、自由・平等・社会的効率の関係はいかなるものになるか。これが本稿の問題である。その解答は当日に報告する。