* Abstract *
◆ 瀧川裕貴(総合研究大学院大学)

 社会学とは、社会的秩序の成立メカニズムの解明を目指す学問であり、なかでも社会階層や格差・不平等の生成・維持メカニズムの解明は、社会学の中心的課題であるといえる。本報告では、教育における階級格差がいかなる社会的条件の下で維持され、またいかにして削減しうるかについて数理的方法に基づいて検討する。具体的には、Breen=Goldthorpeの相対的リスク回避モデルを改良・発展させ、その論理を明確にする。モデルの検討の結果、教育格差の生成には、試験成功の特権性を規定するパラメータと職業訓練の有効性を規定するパラメータが重要であることが分かる。この知見に基づき、格差削減のための政策がいかにあるべきかについて議論する。