*Abstract*
◆ 柳下浩紀(京都産業大学)

 本講演の目的は、非線形拡散現象のある普遍的な構造について述べることです。本講演では空間的なパターンの伝播を特徴付ける数理構造として進行波解に注目します。進行波解は一定の空間形状を持ったパターンが一定の速度で移動をしていく状態を表しています。古典的な反応拡散方程式では、反応項が単安定である場合には、進行波解の速度は一定の値以上の速度がちょうど許されることが知られています。また、反応項が双安定の場合には、ちょうど一つの速度と一つの空間形状が許されることが知られています。ところで、古典的な反応拡散方程式は、方程式の形が具体的に与えられています。しかし、上記のような進行波解の構造(の一部)は、方程式の具体的な形にはよらない普遍性を持っている部分もあります。本講演では、空間1次元で順序保存であるという性質だけから、進行波解の構造について分かることを報告します。